唐門の龍と恙(つつが)
拝殿・本殿への門が唐門。この門はごく限られた者しか潜れませんでした。
出入りを厳しくチェックするために、
門番役として屋根の四方には龍と
恙(つつが)がいます。
恙というのは他ではあまり見聞きしない霊獣ですが、
獅子や虎よりも強いらしいです。
東西に龍、南北に恙。龍は昼の担当、恙は夜の担当とのこと。役目を放りだしてどこかへ行かないよう、龍は鰭(ひれ)を切られ、恙は金輪で脚を固定されています。なんか可愛そうですね。
ちなみに恙は獣偏(犭)に「恙」と書く(
犭恙)という話ですが、そのような文字はUnicodeにも入っていないようです。
鰭を切られた龍。よく見ると、さらに胴体を金輪で留められている
こちらは夜担当の恙。やはり脚を固定されている。これでは不審者が来ても飛びかかれないだろうに……
唐門のほうが陽明門より格上だというのは、この龍と恙の本気度を見ても分かります。陽明門の彫り物群よりはるかにうまいし、ていねいに作られていますね。