日光東照宮動物園

日光東照宮という「動物園」(3)

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表門の狛犬

東照宮には狛犬が4対います。表門、陽明門に木造の狛犬。奥の院参道に「東日本最古」と言われる石造狛犬。鋳抜門に唐銅の名品。陽明門前の石柵にくっついている「跳び越えの獅子」も入れれば5対。その中で最初に出会えるのがこの表門の狛犬です。

この表門はもともと法眼康音仏師が彫った仁王像が安置されていて「仁王門」と呼ばれていましたが、明治新政府が発令した神仏分離令(通称)により、神社に仏教の守護神像があるのはよろしくないとされ、明治4(1871)年に寺院形式の大猷院に移され、代わって、裏側にあったこの獅子・狛犬が表に置かれるようになっていました。
獅子・狛犬がいた裏側には正保元年(1644)に九代琉球王国中山王(ちゅうさんおう)から奉納された青銅製の花瓶が置かれ、以来仁王門ではなく「表門」と呼ばれるようになったとのことです。
仁王像は明治30(1897)年にようやく戻されました。

もとの裏側の席に戻った獅子・狛犬は木造彩色で、吽像には角があり、宮中で最初に成立した「獅子狛犬」の形式(向かって右が獅子で角なし、左側が狛犬で角あり。2体は別の生き物)にのっとっています。

表門の狛犬 阿像



表門の狛犬 吽像


この獅子・狛犬は、現存する他の木造狛犬としては、京都御所清涼殿御帳台の左右に置かれている獅子・狛犬(鎌倉時代後期と推定)や京都・八坂神社所蔵の獅子・狛犬(鎌倉時代と推定)に顔と全体のデザインはそっくりですが、阿像の鬣などが微妙に違っています。
顔は清涼殿の獅子・狛犬に似ていますが、清涼殿の獅子・狛犬が角のあるなし以外はそれほど大きな違いを感じさせないのに対して、この獅子・狛犬は鬣や尾の形などを、よりはっきりと「違うもの」としてデザインしているのが興味深い点です。


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