鋳抜門の青銅狛犬
奥の院宝塔の前にある門は唐銅(からかね=青銅の一種で色が黄色、茶色がかっている)の鋳造製で「
鋳抜門」と呼ばれています。この門を守る青銅製の狛犬が大傑作。現代に至るまで、金属製の狛犬でこれを上回る傑作はほとんどないと言ってもいいくらいの傑作です。
作者は椎名伊豫。
椎名家は江戸時代初期に活躍した鋳物師の名家で、徳川家に重用されました。
この狛犬は創建当時は木製だったものが、寛永18(1641)年に石造となり、慶安3(1650)年に門が青銅製になったときに同じく青銅製で造り替えられたといいます。
鋳抜門は正面からは見られないため、狛犬も正面からの写真を撮れるポイントが極めて限られており、苦労します。
阿像。正面から撮るのが非常に難しい
吽像のこの睥睨する表情は特にすばらしい
吽像の背中側。尾の作りも嫌みがなく、バランスがとれている
鋳抜門の蜃(しん)
鋳抜門ではこれも見逃さないようにしてください。「蜃(しん)」という霊獣。蜃気楼の「蜃」。龍の仲間で、口から気を吐き出し、ツバメを食べ、蜃気楼を発生させるといいます。
口から出ているのは牙のように見えるが、これは「気」を吐き出している様
鋳抜門は技術的にもアートとしても素晴らしいものです。しかし、見る角度が限られていて、間近で細部まで鑑賞できないのが残念。超望遠撮影ができるカメラがないと、狛犬や蜃などのクリアな写真は撮れません。
ここの写真は主にパナソニックのレンズ一体型カメラ FZ1000で撮りました。
25-400mm相当までのズームでありながらSONY製1型CMOSのおかげで高画質。これ1台でなんでも撮れる万能機
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