跳び越えの獅子
陽明門の手前、石段を登ったところの石柵にいるのが「跳び越えの獅子」。
石柵と一体で彫られています。この獅子、石柵が倒れないように補強の役割も果たしているのです。
家光がこれを見て「まるで石柵を跳び越えた獅子のようだ」と評したので、「跳び越えの獅子」と呼ばれています。
「狛犬」ではないのですが、狛犬ファンにはお馴染みのもの。逆立ちしているし、摩耗してだいぶ表情が分かりづらくなっていますが、かがんで顔を覗き込んでみましょう。ちゃんと
阿吽になっています。
後ろ脚が浮いているところが、まさに「跳び越えた」よう
石柵の補強柱の役割を果たしている
かがみ込んで覗くと顔の表情がよく分かる。これは吽のほう
こちらは阿。舌を出しているように見える。なかなかお茶目だ
陽明門の手前にあるので、一般庶民も見られたはずです。おそらく
小松寅吉はこれを見て、白河借宿の石柵裏に同じように逆立ちした獅子を彫ったと思われます(
『神の鑿』参照)。