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24. 目的語+補語を取れる動詞(SVOC)

She called the dog.
S   V   O
(彼女はその犬を呼んだ


She called the dog Pochi.
S   V   O   C
(彼女はその犬をポチと呼んだ


郷センセ郷センセ:  今日も生徒は凡太か。
今日も「補語」について話すよ。
前回、補語はbe動詞の文以外でも出てくることがあるということと、英文の主要要素は主語・動詞・目的語・補語の4つで、その4つの組み合わせによって5つの基本文型があるということを教えたね。
で、基本5文型のうち、目的語を2つ取る SVOO と目的語の後に補語もつく SVOC についてはまだちゃんと教えていないともいった。
今日はそのうち SVOC という文型をやってみる。
SVOO より SVOC を先にもってきたのは、前回補語をやったから、その感覚を忘れないうちに……という意図だ。

じゃあ、SVOC の前に、SVO ……つまり、動詞が目的語を取る文の復習からだ。
「ハナコはその犬を呼んだ」を英語でどういう? 「呼ぶ」は call でいい。規則動詞だね。
凡太 Hanako called the dog.
ですか。

そだね~。
で、この文では the dog が called の目的語になっているね。「~を」という部分だ。
目的語をとるから、この call は他動詞だね。
で、この文に「ポチ」をつけて、
Hanako called the dog Pochi.
とすると、
「ハナコはその犬をポチと呼んだ」
という意味になるんだ。
これが SVOC の文で、Pochi が補語(complement)になってる。
なぜ、この Pochi が目的語じゃなくて補語なのかというと、
Hanako called the dog Pochi.
という文の Pochi は、目的語である the dog を説明しているんだけど、同時に call という動詞の内容も説明しているよね。
call the dog Pochi
で、
「その犬を(目的語)ポチと(補語)呼ぶ(動詞)」
という文の構造。……分かるかな。

補語が1つしかない文。つまり、SVC の文では、S(主語)=C(補語)の関係があったね。
The dog is Pochi. なら、
the dog = Pochi
だった。
でも、今度の SVOC の文では、S = C にはならない。ハナコはポチじゃないもんな。
SVOC の文では、O = C の関係になる。
でもまあ、そういうのは後付けの理屈みたいなもんでね。重要なのは文の構造を理解して、同じ形の文例をいっぱい知って慣れてしまうことだ。

call A B (AをBと呼ぶ)と似ている文を作る動詞としては name (~と名づける)というのがある。
name A B で「AをBと名づける」だ。
Hanako named the dog Pochi.
(ハナコはその犬にポチと名づけた。)

一緒に覚えておこう。
じゃあ、確認だ。
「ハナコはその犬になんて名づけたの?」というのはどういう?
凡太 「なんと名づけたか」……疑問詞を使うんですよね?

そうだよ。「ポチと名づけた」のポチの部分をきくわけだから、疑問詞はなんだ?
凡太 what ですか?

そだね~。で、疑問詞を文の頭に出して、その疑問詞 what は文の主語ではないから、後ろは普通の疑問文の語順になるよな。もう簡単だな。
凡太 What did Hanako name the dog?

そだね~。そういうことだわさ。

SVOC の C には前置詞などはつかない。副詞句とはそこが違うね。
She called the dog in the dark.
(彼女は暗闇の中でその犬を呼んだ)
という文の in the dark は状況を示して called を説明しているだけだから、取っ払っても文の構造は変わらない。
She called the dog.(彼女はその犬を呼んだ)という基本の文は壊れないね。
でも、She called the dog Pochi. の Pochi を取っ払ってしまったら、文の意味がガラッと変わってしまう。Pochi はどうしても必要な要素だよね。
これが補語(C)と副詞句(M)の大きな違いだ。

で、SVOC で C(補語)が名詞というのは少なくて、形容詞がくる文のほうがずっと多い。
「ハナコの親父さんはウイスキーを飲む」というのを英語でいうとどうなる?
「ウイスキー」は whisky、「飲む」は drink だ。
凡太 Hanako's father drinks whisky.
です。

そだね~。三単現にもだいぶ慣れてきたね。
whisky は物質の一種だから a とか the はつけなくていい。coffee や tea や milk と同じ扱いだ。
で、この文では、 whisky が drink の目的語になっているね。「~を」という部分だ。
目的語をとるから、この drink も他動詞だね。
で、この文に「ストレート(straight)」という語をつけて、
Hanako's father drinks whisky straight.
とすると、
「ハナコの親父さんはウイスキーをストレートで飲む」
という意味になる。
ウイスキーにも、氷を入れる「ロックで」とか水で割る「水割りで」とか、いろいろ飲み方があるけど、ハナコの親父さんは何にも入れず、ウイスキーを()のまま、つまり「ストレートで」飲むってわけだ。肝臓壊しそうだねえ。
この、
Hanako's father drinks whisky straight.
もやはり SVOC なんだけど、今度は C の部分が名詞ではなく、形容詞だな。
この straight は、目的語である whisky を説明している形容詞だけど、同時に drink という動詞の内容も説明しているよね。
「ウイスキーを(目的語)ストレートで(補語)飲む(動詞)」
という文の構造。……分かるかな。
「その犬をポチと呼ぶ」と同じ構造だってこと、分かるかな。
この文でも、ハナコの親父さんはストレートじゃないけど、ウイスキーはストレートだからイコールの関係だね。

補語に形容詞がくる SVOC の文のほうが、補語が名詞の SVOC より多い。とはいっても、SVOC を作る動詞はある程度限られているから、代表的なものは文例ごと覚えてしまうのが手っ取り早いな。
↓こんなのがあるよ。

I like my coffee black.
(コーヒーはブラックで飲むのが好きだ)

She painted the dog house yellow.
(犬小屋を黄色に塗った)

Leave me alone!
(放っておいて!=私を一人の状態にしておけ)

She makes me happy.
(私を幸せな気持ちにしてくれる)

She always keeps her room clean.
(部屋をきれいにしておく)

I found the novel interesting.
(その小説が面白いことを発見した=読んでみたら面白かった)
※ found は find(見つける)の過去形、過去分詞。

He boiled the eggs hard.
(それらの卵を固く()でた=固茹でにした)

……こういうのはとにかく文例ごと覚えてしまうのがいちばんだね。
ただ丸暗記するんじゃなくて、ああ、SVOC の文の構造になっているんだな、と理解した上で覚えることが大事だ。

じゃあ、あとは英作文練習で感覚を磨いていこうかな。
練習のページで頑張ってみてね~ん。
凡太 う~~ん……。


今日のポイント


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